本日(1/9)夜の重要経済指標カレンダー【重要度★★以上】
本日2026年1月9日の午後から夜にかけて、市場を大きく動かす可能性のある経済指標が複数発表されます。特に注目すべきは22:30(日本時間)の米国雇用統計とカナダ雇用統計の同時発表です。
発表スケジュール一覧
| 時間(JST) | 国 | 指標名 | 重要度 | 前回値 | 予想値 | 影響通貨ペア |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 19:00 | 🇪🇺ユーロ圏 | 11月小売売上高(前月比) | ★★ | -0.5% | -0.3% | EUR/USD, EUR/JPY |
| 22:30 | 🇺🇸米国 | 12月非農業部門雇用者数(NFP) | ★★★ | +6.4万人 | +7.0万人 | USD全通貨ペア |
| 22:30 | 🇺🇸米国 | 12月失業率 | ★★★ | 4.6% | 4.5% | USD全通貨ペア |
| 22:30 | 🇺🇸米国 | 12月平均時給(前月比) | ★★ | +0.1% | +0.3% | USD(インフレ関連) |
| 22:30 | 🇨🇦カナダ | 12月新規雇用者数 | ★★★ | +2.5万人 | +1.5万人 | CAD/JPY, USD/CAD |
| 22:30 | 🇨🇦カナダ | 12月失業率 | ★★ | 6.5% | 6.6% | CAD/JPY, USD/CAD |
同時発表のインパクト
22:30の米国・カナダ雇用統計同時発表は、以下の通貨ペアで激しい値動きが予想されます:
- USD/JPY(ドル円)- 主戦場
- CAD/JPY(カナダドル円)- 原油価格との相関にも注意
- USD/CAD(ドルカナダ)- 北米通貨の力関係を示す
- EUR/USD(ユーロドル)- ドル強弱の影響を直接受ける
市場概況:ドル全面高と円独歩安の背景分析
2.1 現在の為替市場トレンド
2026年1月8日から9日にかけての為替市場は、明確な「ドル買い・円売り」トレンドが支配的です。
ドル高の主要因
- 米ISM非製造業景況指数の好結果
1月8日発表の同指数が54.4と、市場予想(52.3)を大幅に上回りました。これにより米国経済の底堅さが再確認され、米金利上昇を背景としたドル買い圧力が強まっています。 - FRB利下げ期待の後退
堅調な経済指標を受け、連邦準備制度理事会(FRB)による早期利下げ観測が後退。これが長期金利の下支え要因となり、ドル資産の魅力を高めています。
円安の主要因
- 実質賃金の大幅減少
日本の2025年11月実質賃金が前年比-2.8%と大幅減少。日銀が利上げの前提条件としている「賃金と物価の好循環」が遠のいたとの見方から、円売りが加速しています。 - 日米金利差の拡大
現在、日米10年債利回り差は約3%に達しており、キャリートレード(低金利通貨を売って高金利通貨を買う取引)の円売り需要が根強い状況です。
2.2 リスク要因:日本政府の為替介入警戒
ドル円が158円を突破する場合、財務省による為替介入リスクが高まります。過去の介入実績(2022年9月:145円、10月:150円)から、政治的な「防衛ライン」は意識されるべきでしょう。
通貨ペア別テクニカル
3.1 クロス円通貨ペア分析
EUR/JPY(ユーロ円)
現在レート: 183.52円
トレンド: 上昇も力強さに欠ける
- ドル円上昇に連れ高しているものの、ユーロ自体の弱さ(後述)により上昇角度は緩やか
- 183.00-184.00円のレンジで推移する可能性
- 戦略: 様子見推奨。184円接近時はショート検討も
GBP/JPY(ポンド円)
現在レート: 211.44円
トレンド: 極めて強い上昇
- 日足チャートで連続陽線。ボラティリティが非常に高い
- クロス円の中で最強の上昇圧力
- 戦略: ボラティリティを好むトレーダーには212円目標のロング推奨
AUD/JPY(豪ドル円)
現在レート: 105.31円
トレンド: 上昇一服の兆候
- 4時間足では105.50円付近で頭を抑えられるダブルトップ懸念
- 中国経済の不透明感と商品市況の調整が重石
- 戦略: 新規買いは慎重に。105.50円をバックにショートも検討余地あり
NZD/JPY(NZドル円)
現在レート: 90.32円
トレンド: レンジ相場
- 90.00-90.50円の狭いレンジで方向感欠如
- 戦略: トレード対象外。レンジブレイクまで待機
3.2 ドルストレート通貨ペア分析
EUR/USD(ユーロドル)
現在レート: 1.1644ドル
トレンド: 下落トレンド入りの可能性
- 戻り高値を否定して下落。1.1600ドルの重要サポート防衛戦
- 米欧金利差拡大とユーロ圏経済停滞感がダブルパンチ
- 戦略: 1.1680ドル付近への反発を戻り売り。ターゲットは1.1600ドルブレイク後の1.1550ドル
AUD/USD(豪ドル米ドル)
現在レート: 0.6680ドル
トレンド: 明確な下落トレンド
- 4時間足で高値切り下げが継続
- リスクオフ(株安)とドル高の二重苦
- 戦略: 0.6700ドルをバックにショート。ドル円上昇時のヘッジとしても有効
米雇用統計(NFP)の詳細予想と通貨ペア別戦略
4.1 各指標の市場コンセンサスと注目ポイント
非農業部門雇用者数(NFP)
市場予想: +6.0万〜7.0万人
前回値: +6.4万人
分析のポイント:
市場予想が「6〜7万人増」と非常に低いハードル設定になっている点が最重要です。これは以下を意味します:
- 悪いニュースは織り込み済み: 予想通りまたは若干下回っても市場への悪影響は限定的
- サプライズは上方向: 10万人以上なら大幅なポジティブサプライズと解釈され、ドル急騰の可能性
平均時給(隠れた重要指標)
市場予想: 前月比+0.3%
前回値: +0.1%
戦略的重要性:
この指標はインフレの粘着性を測る上で極めて重要です。
- +0.4〜0.5%に上振れた場合: NFPの数字が多少悪くても「インフレ再燃懸念=利下げ遠のく」と解釈され、強烈なドル買いを誘発
- ドル円にとっては158円突破の強力な援護射撃となる可能性大
失業率
市場予想: 4.5%
前回値: 4.6%
注目ポイント:
0.1%の改善が見込まれていますが、4.4%まで改善すれば米国経済のソフトランディング成功が意識され、株高・ドル高のリスクオン連鎖が期待できます。
4.2 カナダ雇用統計の重要性
実は今夜、カナダ雇用統計もドル円トレーダーにとって無視できません。
背景
- カナダ経済は米国との結びつきが極めて強い
- 原油価格(WTI)の下落影響を受けやすい状態
- USD/CADやCAD/JPYでのトレードチャンスが生まれる
3つのシナリオ
| シナリオ | 米国 | カナダ | 結果 | 推奨戦略 |
|---|---|---|---|---|
| A | 強い | 弱い | 米ドル独歩高 | USD/CAD買い |
| B | 強い | 強い | 北米通貨買い | CAD/JPY買い(最も上昇期待) |
| C | 弱い | 弱い | リスクオフ | 円買い全般 |
トレードアイデア:
- ドル円の158円介入リスクが怖い場合、CAD/JPYロング(カナダ指標良好時)でリスク分散
- EUR/CADショート(欧州弱・カナダ強の組み合わせ)も有効
4.3 通貨ペア別NFP発表後トレード戦略
① USD/JPY(ドル円)戦略
基本方針: 押し目買い・ブレイク狙い(強気)
シナリオA: NFP > 10万人の場合
- エントリー: 157.80円ブレイク時
- ターゲット1: 158.40円
- ターゲット2: 158.80円(ただし介入警戒で慎重に)
- ストップロス: 157.30円
- 注意点: 158.50円付近は介入警戒ラインのため、深追い厳禁
シナリオB: NFP < 5万人の場合
- エントリー: 156.80-157.00円ゾーンでの押し目
- ターゲット: 157.50円
- ストップロス: 156.50円
- 根拠: 低すぎるハードル設定により、悪材料織り込み済み。押し目は絶好の買い場
介入リスク管理:
- 158.00円突破後、上昇速度が加速した場合は財務省の「レートチェック」「口先介入」リスクが急上昇
- 必ずストップロスを設定し、1-2円幅の急落に備える
② EUR/USD(ユーロドル)戦略
基本方針: 戻り売り(弱気)
戦略詳細:
- 根拠: 米欧金利差の拡大+ユーロ圏経済停滞
- エントリー: 指標発表後の一時的反発(1.1680ドル付近)でショート
- ターゲット1: 1.1600ドル
- ターゲット2: 1.1550ドル
- ストップロス: 1.1720ドル
重要サポート1.1600ドルの攻防:
このレベルは過去何度も機能してきた強固なサポート。ここでのプライスアクション(反発かブレイクか)が今後のトレンドを決定します。
③ クロス円戦略
基本方針: 様子見またはドル円追随(中立〜やや強気)
注意点:
今夜は「ドル主導」の相場となるため、クロス円はドル円とドルストレートの綱引きにより乱高下しやすい環境です。
GBP/JPY(ポンド円):
- 推奨: ボラティリティ好きなら積極ロング
- ターゲット: 212.00円
- ストップ: 210.80円
EUR/JPY(ユーロ円):
- 推奨: 様子見優先
- もし取引するなら: 184.00円接近時のショート検討
- 根拠: ユーロ自体の弱さ
④ 豪ドル(AUD/USD, AUD/JPY)戦略
基本方針: 売り(弱気)
売り推奨の根拠:
- 中国経済の不透明感
- 商品市況の調整局面
- テクニカルチャートの崩れ(高値切り下げ継続)
AUD/USD戦略:
- エントリー: 0.6700ドル付近でショート
- ターゲット: 0.6650ドル
- ストップ: 0.6730ドル
AUD/JPY戦略:
- エントリー: 105.50円をバックにショート
- ターゲット: 104.80円
- 用途: ドル円ロングのヘッジとしても有効
4.4 発表直後の値動きパターンと対処法
22:30発表直後の数分間は、アルゴリズム取引による激しい乱高下が予想されます。
推奨対応
- 成行注文は避ける: スプレッド拡大により不利な約定の可能性
- 指値・逆指値を事前設定: 冷静な判断が困難な時間帯
- 最初の3-5分は様子見: 初動の方向を確認してからエントリーしても遅くない
- ポジションサイズを通常の50%に抑える: ボラティリティ対策
来週(1/12週)以降の展望とリスクシナリオ
5.1 来週の重要イベント
米消費者物価指数(CPI) 発表予定
予定日: 2026年1月13日(火)または14日(水)
市場への影響:
今夜の雇用統計が強い結果となった場合、来週のCPIへの注目度は倍増します。
- インフレ再燃が確認された場合: FRBの利下げ期待が完全に剥落し、ドル円は160円を目指すトレンドに入る可能性
- インフレ鈍化が確認された場合: 「強い雇用+低インフレ」の理想シナリオで株高・ドル高のゴールディロックス相場
日銀の動向と政府の為替政策
円安進行時(158円突破)のシナリオ:
- 第1段階: 財務省・日銀幹部の牽制発言
- 「最近の為替の動きを注視している」
- 「過度な変動は望ましくない」
- 第2段階: トーンアップした警告
- 「断固たる措置を取る」
- 「常時監視している」
- この段階で1-2円幅の急落リスク
- 第3段階: 実際の為替介入
- 過去の例から160円前後が介入実施ラインと推測
5.2 3つのメインシナリオ
シナリオ①: 強気トレンド継続(確率50%)
条件:
- NFP無事通過(予想近辺またはポジティブサプライズ)
- 来週CPI堅調
- 日銀が実質的な対応を取らない
展開:
- ドル円158円台定着
- 押し目買い戦略の継続
- 160円チャレンジへ
推奨ポジション: USD/JPYロング(押し目)、EUR/USDショート(戻り)
シナリオ②: 調整局面入り(確率30%)
条件:
- NFPネガティブサプライズ(3万人以下など)
- 米長期金利の急低下
- 日本政府の強い牽制
展開:
- ドル円155円台への調整
- 一時的なリスクオフ
- ただし押し目での買い需要は根強い
推奨ポジション: キャッシュポジション拡大、様子見
シナリオ③: 高値レンジ相場(確率20%)
条件:
- NFP予想通り
- CPI前のポジション調整
- 介入警戒と買い需要の拮抗
展開:
- 156.50-158.50円のレンジ相場
- ボラティリティ低下
- レンジ戦略が有効に
推奨ポジション: レンジ上限売り・下限買いの短期売買
5.3 長期的視点:2026年前半のドル円見通し
上昇シナリオ(メイン)
ターゲット: 160-165円
根拠:
- 日米金利差の持続: 日銀の利上げペース遅延vsFRBの高金利維持
- キャリートレード需要: 機関投資家の円売り需要は構造的
- テクニカル的真空地帯: 158円突破後は160円まで明確な抵抗帯が少ない
下落リスクシナリオ
トリガー:
- 米経済の急減速: リセッション入りが明確化
- 日銀の予想外の利上げ: 0.5%以上への引き上げ
- 大規模為替介入: 政治的な円安阻止の決意表明
まとめ
最優位性の高い戦略
今夜から来週にかけて最も優位性が高いトレードは以下です:
「低ハードルのNFPを利用したドル買い戦略」
具体的には:
- USD/JPYロング: 押し目買いまたはブレイクアウト
- EUR/USDショート: 戻り売り
- AUD/USDショート: トレンドフォロー
リスク管理の絶対原則
1. ストップロスは必須
158円という水準は「テクニカル的な買い」と「政治的な介入リスク」が交錯する微妙なゾーン。必ずストップロスを設定してください。
2. ポジションサイズの調整
通常の50-70%程度に抑え、ボラティリティ急拡大に備えましょう。
3. 分散投資の実践
ドル円だけでなく、EUR/USDやCAD/JPYなど複数通貨ペアでリスク分散を。
19:00ユーロ圏小売売上高への対応
22:30のメインイベント前に19:00のユーロ指標があります。
もし小売売上高が予想を大きく下回った場合:
- ユーロ全面安→ドル円の上昇エネルギーがさらに増す
- 「ドル一強」の地合いが整う
- EUR/USDショートを事前に仕込む好機
最後に:今夜の市場心理
市場は現在「ハードルの低い予想に対するポジティブサプライズ待ち」の状態です。
特に平均時給の上振れには最大限の警戒(=ドル急騰への備え)をしてください。時給+0.4%以上なら、NFPの数字に関わらずドル全面高の可能性があります。
免責事項: 本レポートは情報提供を目的としたものであり、投資助言ではありません。実際の取引は自己責任で行ってください。為替取引には元本割れのリスクが伴います。


