2026年1月8日の東京外為市場では、ドル円が156円台後半で予想外の底堅さを示しました。
日経平均が約1%下落(51,464円)し、米10年債利回りも4.14%へ低下する中、通常なら円高圧力が強まる局面でしたが、実際には156.50円から156.82円へとじり高となりました。
この現象の背景にあるのは、日米金利差約3%(300bp)という圧倒的な開きです。
短期的なリスクオフよりも、スワップポイント獲得を優先するキャリートレードの需要が極めて強いことが確認されました。
テクニカル分析:上昇トレンド継続のシグナル
日足・4時間足の構造

昨年12月から続く上昇チャネルが機能しており、21日移動平均線(約156.00円)が強力なサポートラインとして機能しています。現在は高値圏での保ち合い相場を形成中です。
短期足の動向

1時間足では156.50円付近での買い圧力が強く、安値を切り上げる「アセンディング・トライアングル」に近い形状を形成。これは157.00〜158.00円のレジスタンスをブレイクする予兆とも取れます。
ボリンジャーバンドは収縮(スクイーズ)しており、次の大きな変動に向けてエネルギーを蓄積している段階です。
ファンダメンタルズ分析:労働市場データが鍵
本日最大の焦点は、日本時間22:30発表の米週間新規失業保険申請件数(予想21.3万件/前回19.9万件)です。ADP雇用統計が労働市場軟化を示唆したことで、市場の注目度は極めて高まっています。
FRBの金融政策スタンス
政策金利は現在3.50〜3.75%。市場は2026年内に2回程度の追加利下げを織り込んでいますが、雇用データの強弱が利下げペースを左右します。
午後の見通し:3つのシナリオ

シナリオA:強い結果(20.5万件以下)→ドル急騰
労働市場の底堅さが再確認され、ソフトランディング期待が高まります。157.20円ブレイクで158.00円トライの展開へ。ただし158円台は日本政府の介入警戒ゾーンです。
シナリオB:弱い結果(22.5万件以上)→ドル急落
景気後退懸念の台頭で米金利が4.10%割れ。ドル円は156.00円サポートを試し、割り込めば155.50円まで調整深耕の可能性。
シナリオC:予想通り(21.0〜21.5万件)→レンジ継続
材料出尽くしで明日の雇用統計(NFP)待ちムードに。156.50〜157.00円の狭いレンジでの推移が予想されます。
トレード戦略:押し目買いを基本に
推奨アプローチ
基本方針は「押し目買い(Buy on Dips)」。156.20〜156.40円ゾーンまでの押し目は、リスクリワードの良い買い場となります。
リスク管理のポイント
- 指標発表前後はボラティリティ急拡大に注意
- 158円接近時は介入警戒から早めの利益確定を推奨
- ストップロスは必ず設定し、損失を限定
注目すべき材料
地政学リスク(ベネズエラ情勢)や原油価格動向(WTI 56ドル台)も、予期せぬ変動要因として警戒が必要です。
まとめ:金利差が支配する相場環境
東京市場が示した底堅さは、市場のバイアスが「円安方向」に傾いていることの証左です。日米金利差3%という構造的な円売り圧力は簡単には解消されません。
ただし、158円突破後は介入リスクが急上昇します。また1月23日の日銀会合、28日のFOMCといった重要イベントを控え、大局的なトレンド継続と目先のリスク管理、両面からの冷静な判断が求められます。
今夜の失業保険申請件数が、2026年ドル円相場の序章を決定づける重要な分岐点となるでしょう。


