2026年1月5日、金価格は4,420ドルまで急騰し、前日比1.10%の上昇を記録しました。この急激な上昇の背景には、週末に起きた「予想外の出来事」があります。
米軍が南米ベネズエラに対して軍事作戦を実行し、マドゥロ大統領を拘束したというニュースが、世界中の投資家を驚かせました。この「ブラック・スワン(予測不能な極端事象)」とも呼べる事態が、安全資産である金への需要を一気に高めたのです。
本記事では、今日の金価格の動きを分析し、明日以降の見通しについて、できるだけわかりやすく解説していきます。
今日の金価格:重要な4つのポイント
現在の状況
- 現在価格: 4,420.49ドル
- 前日比: +1.10%(約48ドル上昇)
- 重要な節目: 心理的な4,400ドルを突破
- 市場の雰囲気: 「質への逃避」(危険を避けて安全な資産へ)
なぜこれほど上昇したのか
1. ベネズエラ軍事介入の衝撃
米国が主権国家の大統領を軍事力で拘束するという、前例のない事態が発生しました。この行動は、国際社会に大きな波紋を広げ、「次はどこで何が起きるか分からない」という不安を投資家に与えています。
このような地政学的リスクが高まると、投資家は株式や通常の通貨から離れ、何千年も価値を保ち続けてきた「金」へと資金を移すのです。
2. 米国経済の減速懸念
今日の深夜(日本時間0時)に発表される米国のISM製造業景況指数も、金価格を押し上げる要因となっています。この指数は48.3と予想されており、景気拡大と後退の分かれ目である50を大きく下回っています。
経済が弱くなれば、米連邦準備制度(FRB)は金利を下げざるを得ません。金利が下がると、金利を生まない金の相対的な魅力が高まるのです。
3. 2025年の驚異的な上昇の続き
2025年、金価格は年間で約65%も上昇し、1979年以来の最高パフォーマンスを記録しました。この勢いが2026年も続いており、今日の上昇はその延長線上にあります。
なぜ金は「安全資産」なのか
多くの方が疑問に思うかもしれません。「なぜ危機が起きると金が買われるのか?」
金が持つ3つの特別な性質
1. 誰にも支配されない
金は、どこかの国の政府や中央銀行が発行するものではありません。米ドルは米国政府が、円は日本政府が管理していますが、金は「無国籍通貨」です。だからこそ、国際的な混乱が起きても価値を保つことができます。
2. 制裁の影響を受けない
2022年のロシアへの制裁で、ロシアが保有していた外貨(ドルやユーロ)が凍結されました。しかし、金は物理的に存在する資産なので、簡単には凍結できません。
今回のベネズエラ介入を見て、多くの国々が「自分たちの資産も同じ目に遭うかもしれない」と考え、ドル資産を減らして金を増やす動きが加速しています。
3. 希少性がある
紙幣は政府が印刷すればいくらでも増やせますが、金は地球上に限られた量しか存在しません。この「増やせない」という性質が、価値を保つ根拠となっています。
今日の重要価格レベル:ここに注目
金価格がどこまで上がるか、どこで止まるかを判断するため、重要な価格レベルを理解しておきましょう。
上値の抵抗線(ここまで上がると売りが出やすい)
4,426ドル: 今日の高値圏。ここを明確に超えると、さらなる上昇が加速する可能性があります。
4,442ドル: 次の抵抗線。ここを突破すれば、4,450ドルが視野に入ります。
4,480〜4,500ドル: 心理的な大台。ここまで到達すれば、利益確定の売りが大量に出ると予想されます。
下値の支持線(ここまで下がると買いが入る)
4,400ドル: 心理的な節目。ここを守れるかが、今後の上昇トレンド維持の鍵となります。
4,380ドル: 押し目買いの絶好のチャンス。短期的な調整があれば、この水準が買い場となるでしょう。
4,350ドル: 50日移動平均線の近く。中期的なトレンドの最終防衛ラインです。
テクニカル分析:チャートが示す強気シグナル
専門的な分析ツールを使って見ると、金価格には明確な「上昇トレンド」が確認できます。
移動平均線がすべて上向き
20日、50日、そして長期トレンドを示す200日移動平均線が、すべて右肩上がりで、しかも短期線が長期線の上にある「パーフェクトオーダー」という理想的な配置になっています。
これは「買い手が完全に優勢」であることを示す、最も信頼できる強気のサインです。
RSI:まだ上昇余地がある
RSI(買われすぎ・売られすぎを示す指標)は68.4です。70を超えると「買われすぎ」とされますが、現在はまだその手前です。
つまり、「上がりすぎてもいないし、まだ上がる余地がある」という状態です。
MACD:上昇の勢いが加速
MACDという指標は、価格の「勢い」を測るものですが、現在は上昇の勢いが強まっていることを示しています。上昇トレンドが加速する可能性が高い状態です。
本日深夜のISM指標:最大の注目イベント
今日の日本時間深夜0時(米国東部時間午前10時)に、ISM製造業景況指数が発表されます。この数字が、明日の金価格の方向性を大きく左右します。
予想:48.3(前回48.2)
50を上回れば景気拡大、下回れば景気後退を示します。48.3という予想は、米国の製造業が依然として苦しい状況にあることを意味します。
3つのシナリオ
予想より悪い(48.0未満)の場合
- 景気減速懸念が強まる
- FRBの利下げ圧力が高まる
- ドル売り→金買い
- 金価格は4,450ドルを目指す急騰の可能性
予想通り(48.3前後)の場合
- 現状維持
- 4,415〜4,465ドルのレンジ推移
- 地政学リスクが下値を支える
予想より良い(48.5以上)の場合
- 経済の底堅さが確認される
- 一時的なドル買い・金売り
- しかし4,380ドル付近で押し目買いが入る
- 短期的な調整は買いのチャンス
明日(1/6)の予想:3つのシナリオ
メインシナリオ:強気継続(確率60%)
予想レンジ:4,415〜4,465ドル
ベネズエラ情勢の不透明感が続き、ISM指数も弱含むという前提です。
予想される動き:
- 午前中:4,420ドル付近でもみ合い
- 午後〜夜:欧米勢の参入で上昇圧力が強まる
- 4,450ドルを試す展開
サブシナリオA:調整局面(確率25%)
予想レンジ:4,380〜4,430ドル
短期的な過熱感から利益確定の売りが出るケースです。
しかし、4,380〜4,400ドルのゾーンは強力な買い需要があるため、下値は限定的でしょう。この調整は、次の上昇に向けた「エネルギーの蓄積」と捉えるべきです。
サブシナリオB:急騰(確率15%)
予想レンジ:4,450〜4,500ドル
地政学的状況がさらに悪化した場合です。
例えば、ベネズエラへの報復措置が発表されたり、他国が軍事介入を示唆したりすれば、パニック的な買いが入り、一気に4,500ドルを試す可能性があります。
2026年の長期見通し:5,000ドルへの道
短期的な変動を超えて、2026年全体を見渡すと、金価格は構造的な上昇トレンドの中にあります。
主要金融機関の予測
世界の大手金融機関が、揃って強気の予測を出しています。
- ゴールドマン・サックス: 4,900〜5,000ドル
- JPモルガン: 5,000ドル(年末)
- UBS: 5,000ドル
- ミレ・アセット: 5,000ドル
これは単なる希望的観測ではありません。明確な根拠に基づいた予測です。
なぜ5,000ドルまで上がるのか
1. 中央銀行の金購入が止まらない
世界中の中央銀行が、毎月平均70トンもの金を買い続けています。特に、中国、インド、トルコ、ポーランドなどは、価格に関係なく購入を続けています。
彼らは「制裁されない資産」として、金を国家安全保障の一部と位置づけているのです。
2. 金ETFへの資金流入はこれから
驚くべきことに、米国の個人金融資産における金ETF(金の上場投資信託)の比率は、わずか0.17%しかありません。
これが平均的な水準(例えば0.5%)に戻るだけでも、数百トン規模の新規需要が生まれます。つまり、まだ「本格的な買い」は始まっていないのです。
3. 各国の財政悪化
米国をはじめ、主要国の政府債務は膨張し続けています。債務を減らすため、インフレを容認する政策(通貨を増やす)が取られやすい環境です。
「増やせない」金は、「増やし放題」の紙幣に対する究極の保険となります。
投資家へのアドバイス:今、どうすべきか
基本戦略:押し目買いを狙う
4,380〜4,400ドルのゾーンは絶好の買い場
もし短期的な調整でこの水準まで下がってきたら、それは新規購入や買い増しの好機です。
ただし、焦って今すぐ飛びつく必要はありません。ISM指標の発表を待ち、調整があればそこで買う、という冷静な姿勢が重要です。
リスク管理を忘れずに
損切りラインを必ず設定
もし4,350ドルを明確に割り込んだ場合は、短期的なシナリオが崩れた証拠です。その場合は一度撤退し、状況を見極めましょう。
「損を小さく、利益を大きく」が、長期的に勝ち続ける秘訣です。
長期視点を持つ
短期的なノイズに惑わされない
明日、金価格が4,380ドルまで下がったとしても、それは上昇トレンドの中の「一時的な休憩」に過ぎません。
中央銀行の買い、ETFへの資金流入、財政悪化といった長期的な要因を信じて、腰を据えた投資を心がけましょう。
今日のまとめ:金市場で知っておくべきこと
今日の金価格:4,420ドル(+1.10%)
- ベネズエラ軍事介入により、地政学リスクが急上昇
- 質への逃避(安全資産への資金移動)が鮮明
- テクニカル指標は全て強気を示している
明日の予想:4,415〜4,465ドル(メインシナリオ)
- ISM指標が弱ければ、4,450ドルを目指す
- 調整があっても4,380ドルが下値の目安
- 地政学リスクが価格を下支え
2026年の展望:5,000ドルへ
- 主要金融機関が揃って5,000ドルを予測
- 中央銀行の買いが構造的な上昇を支える
- ETF需要の本格化はこれから
投資戦略:押し目を待って買う
- 4,380〜4,400ドルは絶好の買い場
- 損切りは4,350ドルに設定
- 長期視点で5,000ドルを目指す
最後に:「金は不安の壁を登る」
「Gold climbs a wall of worry(金は不安の壁を登る)」という格言があります。
世界が不安定であればあるほど、金の価値は高まります。2026年は、ベネズエラ情勢に象徴されるように、地政学的リスクがこれまでになく高まる年となるでしょう。
免責事項: 本記事は情報提供を目的としており、投資を勧誘するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。金価格は変動リスクがあり、元本が保証されるものではありません。


