午前の値動きと市場の緊張感
2026年1月6日午前、ドル円は156.36近辺で推移しています。注目すべきは、前日から継続する156.80レベルでの明確な上値抵抗です。このラインへの挑戦は複数回試みられましたが、いずれも長い上ヒゲを残して押し戻される展開となりました。
午前中の値動きを振り返ると、156.60台まで上昇を試みる場面があったものの、買い圧力は持続せず、再び156.30台へ押し戻されています。この「上昇→失速」のパターンは、市場心理が押し目買いから戻り売りへシフトしている明確なシグナルです。
チャート分析では、1時間足において短期移動平均線が中期線を下抜けるデッドクロスが発生しており、テクニカル面からも上昇モメンタムの枯渇が確認できます。現在価格が20日移動平均線(156.63付近)を下回って推移していることも、売り優勢の構図を裏付けています。
なぜ156.80が突破できないのか?
この抵抗ラインの背景には、複数の構造的要因が絡み合っています。
マクロ経済の逆風
最大の懸念材料は、1月5日発表の米ISM製造業景気指数です。12月分の数値は47.9と、景況感の分岐点である50を16ヶ月連続で下回る結果となりました。米国製造業の長期停滞は、ドルの上値を重くする根本的な要因です。
特に注目すべきは、第3四半期のGDP成長率が年率4.3%と堅調であるにもかかわらず、製造業センチメントが改善しない点です。これは米国経済がサービス部門と個人消費に過度に依存する「一本足打法」の状態にあることを示しており、持続可能性に疑問符がつきます。
日銀の牽制と介入警戒
円サイドでは、植田日銀総裁のタカ派的な発言が効いています。「経済・物価が見通しに沿えば利上げを継続する」との明言は、158円台への上昇に対する強力な防波堤となっています。
市場参加者は158.30付近を「介入ライン」として警戒しており、この心理的天井が156.80を超えて積極的に買い進む動きを抑制。結果として、同レベルに大量の売り注文が集中する「供給の壁」が形成されているのです。
午後の展開シナリオ|戻り売り圧力の継続
午前の値動きと市場構造を踏まえると、午後は以下のシナリオが濃厚です。
メインシナリオ:緩やかな下値模索(確度65%)
156.55〜156.70ゾーンへの戻りがあれば、それは絶好の売り場となります。このゾーンは、かつてのサポートがレジスタンスへ役割転換した「抵抗帯」であり、ここから再び売り圧力が強まる可能性が高いでしょう。
具体的には、15分足チャートで長い上ヒゲや弱気の包み足が出現したタイミングが、戻り売りのエントリーポイントとなります。目先のターゲットは156.05〜156.10、その下は155.50です。
特に注意すべきは156.20割れのポイントです。ここには押し目買いを狙った短期筋のストップロス(損切り注文)が密集していると推測されます。このラインを下抜ければ、ストップロスを巻き込んだ加速的な下落により、155円台半ばまで一気に値を下げる可能性があります。
代替シナリオ:様子見ムードとレンジ形成(確度25%)
1月7日にはISM非製造業景気指数の発表が控えています。この重要イベントを前に、機関投資家がポジションを控える展開も考えられます。
その場合、156.20〜156.80のレンジで小動きとなる可能性があります。ただし、現在の弱気バイアスを考慮すれば、レンジ下限への圧力の方が強く、上限に近づくたびに売りが入る展開となるでしょう。
トレーディング戦略|リスク管理を徹底した戦い方
午後の相場で優位性を確保するためには、以下のアプローチが推奨されます。
戻り売り戦略の実践
現在価格での追随売り(飛び乗り)は避けるべきです。リスクリワード比を改善するため、156.55〜156.70への戻りを「待つ」忍耐力が重要となります。
エントリーした場合のストップロスは156.95(156.80の直上)に設定し、利益確定は段階的に行います。第一目標は156.05、第二目標は155.50、最終的には154.30〜154.50まで伸ばす余地があります。
避けるべき行動
- 焦った安値売り:既に下落した後の追随売りは、リバウンドに捕まるリスクが高まります
- 逆張りの押し目買い:現在のトレンドは明確に弱気であり、安易な逆張りは推奨できません
- ポジションの放置:明日のISM非製造業指数発表時はボラティリティが急拡大するため、本日中の利確も選択肢です
結論|調整局面の始まりを見極める
156.80でのブレイク失敗は、単なる一時的な押し目ではありません。これは市場参加者の心理が「買い目線」から「売り目線」へと構造的に転換したことを示す重要なシグナルです。
米国製造業の継続的な弱さ、日銀の利上げ姿勢、そして介入警戒感という三つの要因が重なり、ドル円の上値を押さえつけています。この「重力」が働く限り、午後の展開は156円台前半から155円台への下値模索が本線シナリオとなります。
重要なのは、相場の流れに逆らわず、戻りを待って売るという規律ある姿勢です。156.80という明確な壁が存在する以上、焦らず、確実性の高いポイントでエントリーすることが、午後の相場で利益を確保する鍵となるでしょう。
免責事項:本記事は情報提供を目的としており、投資助言ではありません。外国為替取引には元本割れのリスクが伴います。最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。


